和歌番号061~070
070 寂しさに 宿を立ち出でて 眺むれば いづこも同じ 秋の夕暮れ
話し言葉で【超訳】する小倉百人一首第七十首め。詠み人は良暹法師。カテゴリーは秋。寂しさに耐えかねて詠んだ歌。
069 嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり
話し言葉で【超訳】する小倉百人一首第六十九首め。詠み人は能因法師。カテゴリーは秋。美しい紅葉を着物や帯の柄に見立てた歌。
068 心にも あらで憂き世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな
話し言葉で【超訳】する小倉百人一首第六十八首め。詠み人は三条院。カテゴリーは人生。不遇な人生の中、月を見上げて詠んだ歌。
067 春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ
話し言葉で【超訳】する小倉百人一首第六十七首め。詠み人は周防内侍。カテゴリーは人生。大納言藤原忠家からの誘いをかわした歌。
066 もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし
話し言葉で【超訳】する小倉百人一首第六十六首め。詠み人は大僧正行尊。カテゴリーは人生。厳しい修行の折に山桜に詠みかけた歌。
065 恨みわび ほさぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ
話し言葉で【超訳】する小倉百人一首第六十五首め。詠み人は相模。カテゴリーは悲恋。歌合せのお題「恋」に寄せて詠んだ歌。
064 朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれ渡る 瀬々の網代木
話し言葉で【超訳】する小倉百人一首第六十四首め。詠み人は権中納言定頼。カテゴリーは冬。冬の朝、宇治川の川霧が晴れていく様子を詠んだ情景歌。
063 今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで いふよしもがな
話し言葉で【超訳】する小倉百人一首第六十三首め。詠み人は左京大夫道雅。カテゴリーは悲恋。引き裂かれた恋人に贈った悲哀の歌。
062 夜をこめて 鳥のそら音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ
話し言葉で【超訳】する小倉百人一首第六十二首め。詠み人は清少納言。カテゴリーは人生。中国の故事を踏まえた機知にとんだ和歌。
061 いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな
話し言葉で【超訳】する小倉百人一首第六十一首め。詠み人は伊勢大輔。カテゴリーは春。奈良からの桜を受け取るときに即興で詠んだ歌。