平安中期

女子悲恋

038 忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな

話し言葉で【超訳】する小倉百人一首第三十八首め。詠み人は右近。カテゴリーは悲恋。わたしと別れたらあなたの命は大丈夫かしら、と皮肉を詠んだ歌。
秋 autumn

037 白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける

話し言葉で【超訳】する小倉百人一首第三十七首め。詠み人は文屋朝康。カテゴリーは秋。風に散る白露をネックレスに見立てた美しい情景歌。
夏 summer

036 夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ

話し言葉で【超訳】する小倉百人一首第三十六首め。詠み人は清原深養父。カテゴリーは夏。月を擬人化して詠んだ夏の明け方の歌。
春 spring

035 人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほいける

話し言葉で【超訳】する小倉百人一首第三十五首め。詠み人は紀貫之。カテゴリーは春。変わらない梅の花と変わりゆく人の心を詠った歌。
人生、時代

034 誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔も 友ならなくに

話し言葉で【超訳】する小倉百人一首第三十四首め。詠み人は藤原興風。カテゴリーは人生。友を亡くした寂しさを詠んだ歌。
春 spring

033 ひさかたの 光のどけき 春の日に しづこころなく 花の散るらむ

話し言葉で【超訳】する小倉百人一首第三十三首め。詠み人は紀友則。カテゴリーは春。散る桜を惜しむ春の歌。
秋 autumn

032 山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり

話し言葉で【超訳】する小倉百人一首第三十二首め。詠み人は春道列樹。カテゴリーは秋。風を擬人化して紅葉で柵を作ったと詠んだ歌。
冬 winter

031 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪

話し言葉で【超訳】する小倉百人一首第三十一首め。詠み人は坂上是則。カテゴリーは冬。月明かりかと思えた美しい早朝の雪景色の歌。
男子悲恋

030 有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし

話し言葉で【超訳】する小倉百人一首第三十首め。詠み人は壬生只岑。カテゴリーは悲恋。つれない恋人と月を嘆いた歌。
秋 autumn

029 心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花

話し言葉で【超訳】する小倉百人一首第二十九首め。詠み人は源凡河内躬恒。カテゴリーは秋。初霜が降りた庭の風景を白菊の花に見立てた情景歌。