Vol.016 再会のおまじない
立ち別れ
いなばの山の
峰に生ふる
まつとし聞かば
今帰り来む
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たちわかれ いなばのやまの みねにおふる
上の句(読み札)
下の句 決まり字
まつとしきかはいまかへりこむ
たち
【超訳】016 再会のおまじない
詠み人
中納言行平
雑感 About this waka poem
今回の一首
『古今集』
百人一首十六首めでした。
今でいう単身赴任かしら。「待っている」なんて聞いたらすぐに帰りたくなってしまいますね。
次の歌はこの詠み人の弟さん。漫画にも映画にもなった有名な歌です。
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和歌番号順一覧(時代区分)
約400年間の平安時代をおおまかに3つに分けています。
生没年不詳の歌人の和歌は主に活躍した時期に割り振りました。
五十音順和歌一覧
リンクしない歌は更新予定もしくは編集中です。お待ちくださいね。
か行 | かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしもしらじな 燃ゆる思ひを | 藤原実方朝臣 | 051 |
かささぎの 渡せる橋の 置く霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにける | 中納言家持 | 006 | |
風そよぐ ならの小川の 夕ぐれは みそぎそ夏の しるしなりける | 従二位家隆 | 098 | |
風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけて物を 思ふころかな | 源重之 | 048 | |
君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ | 光孝天皇 | 015 | |
君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな | 藤原義孝 | 050 | |
きりぎりす なくや霜夜の さむしろに 衣かたしき 独りかも寝む | 後京極摂政 前太政大臣 | 091 | |
恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか | 壬生忠見 | 041 | |
心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花 | 凡河内躬恒 | 029 | |
心にも あらで憂き世に 眺むれば 恋しかるべき 夜半の月かな | 三条院 | 068 | |
来ぬ人を 松帆の浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ | 権中納言定家 | 097 | |
このたびは ぬさもとりあえず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに | 菅家 | 024 | |
これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関 | 蝉丸 | 010 |
さ行 | 寂しさに 宿を立ち出でて 眺むれば いづこも同じ 秋の夕暮れ | 良暹法師 | 070 |
忍ぶれど 色に出にけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで | 平兼盛 | 040 | |
白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける | 文屋朝康 | 037 | |
住之江の 岸による波 よるさへや 夢の通い路 人目よくらむ | 藤原敏行朝臣 | 018 | |
瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ | 崇徳院 | 077 |
た行 | 高砂の 尾の上の桜 咲きにけり 外山の霞 立たずもあらなむ | 権中納言匡房 | 073 |
滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ | 大納言公任 | 055 | |
田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ | 山部赤人 | 004 | |
立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとしきかば 今帰り来む | 中納言行平 | 016 | |
玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする | 式子内親王 | 089 | |
誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに | 藤原興風 | 034 | |
契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり | 藤原基俊 | 075 | |
契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波こさじとは | 清原元輔 | 042 | |
ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは | 在原業平朝臣 | 017 | |
月見れば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど | 大江千里 | 023 | |
筑波嶺の みねより落つる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる | 陽成院 | 013 |
な行 | ながからむ 心も知らず 黒髪の みだれてけさは ものをこそ思へ | 待賢門院堀河 | 080 |
ながらへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき | 藤原清輔朝臣 | 084 | |
嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間に いかに久しき ものとかは知る | 右大将道綱母 | 053 | |
嘆けとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな | 西行法師 | 086 | |
夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ | 清原深養父 | 036 | |
名にしおはば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな | 三条右大臣 | 025 | |
難波江の 蘆のかりねの 一夜ゆゑ みをつくしてや 恋わたるべき | 皇嘉門院別当 | 088 | |
難波潟 短き蘆の 節の間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや | 伊勢 | 019 |
は行 | 花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり | 入道 前太政大臣 | 096 |
花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに | 小野小町 | 009 | |
春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香久山 | 持統天皇 | 002 | |
春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ | 周防内侍 | 067 | |
ひさかたの 光のどけき 春の日に しづこころなく 花の散るらむ | 紀友則 | 033 | |
人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける | 紀貫之 | 035 | |
人もをし 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに もの思ふ身は | 後鳥羽院 | 099 | |
吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ | 文屋康秀 | 022 | |
ほととぎす 鳴きつる方を 眺むれば ただ有明の 月ぞ残れる | 後徳大寺 左大臣 | 081 |
ま行 | みかきもり 衛士のたく火の 夜はもえ 昼は消えつつ 物をこそ思へ | 大中臣能宣 朝臣 | 049 |
みかの原 わきて流るる いづみ川 いつ見きとてか 恋しかるらむ | 中納言兼輔 | 027 | |
陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくに | 河原左大臣 | 014 | |
見せばやな 雄島のあまの 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色はかはらず | 殷富門院大輔 | 090 | |
み吉野の 山の秋風 小夜更けて ふるさと寒く 衣うつなり | 参議雅経 | 094 | |
村雨の 露もまだひぬ 真木の葉に 霧立ち上る 秋の夕暮れ | 寂蓮法師 | 087 | |
めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな | 紫式部 | 057 | |
百敷や 古き軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり | 順徳院 | 100 | |
もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし | 大僧正行尊 | 066 |
や行 | 八重葎 しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり | 恵慶法師 | 047 |
やすらはで 寝なましものを 小夜更けて かたぶくまでの 月を見しかな | 赤染衛門 | 059 | |
山川に 風のかけたる しがらみに 流れもあへぬ 紅葉なりけり | 春道列樹 | 032 | |
山里は 冬ぞ寂しき まさりける 人目も草も かれぬと思へば | 源宗于朝臣 | 028 | |
夕されば 門田の稲葉 おとづれて 蘆のまろやに 秋風ぞ吹く | 大納言経信 | 071 | |
由良の門を 渡る舟人 かぢを絶え 行方も知れぬ 恋の道かな | 曽禰好忠 | 046 | |
世の中は 常にもがもな 渚こぐ あまの小舟の 綱手かなしも | 鎌倉右大臣 | 093 | |
世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる | 皇太后宮大夫 俊成 | 083 | |
よもすがら もの思ふころは 明けやらで ねやのひまさへ つれなかりけり | 俊恵法師 | 085 | |
夜をこめて 鳥のそら音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ | 清少納言 | 062 |
わ行 | わが庵は 都のたつみ しかぞ住む 世をうぢ山と 人は言ふなり | 喜撰法師 | 008 |
わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね 乾く間もなし | 二条院讃岐 | 092 | |
忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな | 右近 | 038 | |
忘れじの 行末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな | 儀同三司母 | 054 | |
わたの原 漕ぎ出でてみれば 久方の 雲居にまがふ 沖つ白波 | 法性寺入道 前関白太政大臣 | 076 | |
わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ 海人の釣舟 | 参議篁 | 011 | |
わびぬれば 今はた同じ 難波なる みをつくしても 会はむとぞ思う | 元良親王 | 020 | |
小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ | 貞信公 | 026 |
五十音順詠み人一覧
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詠み人 | 和 歌 | 和歌 no. | |
---|---|---|---|
あ行 | 赤染衛門 | やすらはで 寝なましものを 小夜更けて かたぶくまでの 月を見しかな | 059 |
安倍仲麿 | 天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも | 007 | |
在原業平朝臣 | ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは | 017 | |
和泉式部 | あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな | 056 | |
伊勢 | 難波潟 短き蘆の 節の間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや | 019 | |
伊勢大輔 | いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひけるかな | 061 | |
殷富門院大輔 | 見せばやな 雄島のあまの 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色はかはらず | 090 | |
右近 | 忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな | 038 | |
右大将道綱母 | 嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間に いかに久しき ものとかは知る | 053 | |
恵慶法師 | 八重葎 しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり | 047 | |
大江千里 | 月見れば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど | 023 | |
凡河内躬恒 | 心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花 | 029 | |
大中臣能宣朝臣 | みかきもり 衛士のたく火の 夜はもえ 昼は消えつつ 物をこそ思へ | 049 | |
小野小町 | 花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに | 009 |
か行 | 柿本人麻呂 | あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む | 003 |
鎌倉右大臣 | 世の中は 常にもがもな 渚こぐ あまの小舟の 綱手かなしも | 093 | |
河原左大臣 | 陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくに | 014 | |
菅家 | このたびは ぬさもとりあえず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに | 024 | |
喜撰法師 | わが庵は 都のたつみ しかぞ住む 世をうぢ山と 人は言ふなり | 008 | |
儀同三司母 | 忘れじの 行末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな | 054 | |
紀貫之 | 人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける | 035 | |
紀友則 | ひさかたの 光のどけき 春の日に しづこころなく 花の散るらむ | 033 | |
清原深養父 | 夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ | 036 | |
清原元輔 | 契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波こさじとは | 042 | |
謙徳公 | 哀れとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな | 045 | |
皇嘉門院別当 | 難波江の 蘆のかりねの 一夜ゆゑ みをつくしてや 恋わたるべき | 088 | |
光孝天皇 | 君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ | 015 | |
皇太后宮大夫 俊成 | 世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる | 083 | |
後京極摂政 前太政大臣 | きりぎりす なくや霜夜の さむしろに 衣かたしき 独りかも寝む | 091 | |
小式部内侍 | 大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立 | 060 | |
後徳大寺 左大臣 | ほととぎす 鳴きつる方を 眺むれば ただ有明の 月ぞ残れる | 081 | |
後鳥羽院 | 人もをし 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに もの思ふ身は | 099 | |
権中納言敦忠 | 逢ひみての 後の心に くらぶれば 昔は物を 思はざりけり | 043 | |
権中納言定頼 | 朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれ渡る 瀬々の網代木 | 064 | |
権中納言定家 | 来ぬ人を 松帆の浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ | 097 | |
権中納言匡房 | 高砂の 尾の上の桜 咲きにけり 外山の霞 立たずもあらなむ | 073 |
さ行 | 西行法師 | 嘆けとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな | 086 |
坂上是則 | 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪 | 031 | |
相模 | 恨みわび ほさぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ | 065 | |
前大僧正慈円 | おほけなく うき世の民に おほふかな わが立つ杣に 墨染めの袖 | 095 | |
左京大夫顕輔 | 秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ | 079 | |
左京大夫道雅 | 今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで いふよしもがな | 063 | |
猿丸大夫 | 奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋は悲しき | 005 | |
参議篁 | わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ 海人の釣舟 | 011 | |
参議等 | 浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき | 039 | |
参議雅経 | み吉野の 山の秋風 小夜更けて ふるさと寒く 衣うつなり | 094 | |
三条院 | 心にも あらで憂き世に 眺むれば 恋しかるべき 夜半の月かな | 068 | |
三条右大臣 | 名にしおはば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな | 025 | |
持統天皇 | 春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香久山 | 002 | |
寂蓮法師 | 村雨の 露もまだひぬ 真木の葉に 霧立ち上る 秋の夕暮れ | 087 | |
従二位家隆 | 風そよぐ ならの小川の 夕ぐれは みそぎそ夏の しるしなりける | 098 | |
俊恵法師 | よもすがら もの思ふころは 明けやらで ねやのひまさへ つれなかりけり | 085 | |
順徳院 | 百敷や 古き軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり | 100 | |
式子内親王 | 玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする | 089 | |
周防内侍 | 春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ | 067 | |
崇徳院 | 瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ | 077 | |
清少納言 | 夜をこめて 鳥のそら音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ | 062 | |
蝉丸 | これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関 | 010 | |
僧正遍照 | 天つ風 雲の通い路 吹きとぢよ 乙女の姿 しばしとどめむ | 012 | |
素性法師 | 今来むと 言ひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな | 021 | |
曽禰好忠 | 由良の門を 渡る舟人 かぢを絶え 行方も知れぬ 恋の道かな | 046 |
た行 | 待賢門院堀河 | ながからむ 心も知らず 黒髪の みだれてけさは ものをこそ思へ | 080 |
大僧正行尊 | もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし | 066 | |
大納言公任 | 滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ | 055 | |
大納言経信 | 夕されば 門田の稲葉 おとづれて 蘆のまろやに 秋風ぞ吹く | 071 | |
大弐三位 | 有馬山 猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする | 058 | |
平兼盛 | 忍ぶれど 色に出にけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで | 040 | |
中納言朝忠 | 逢ふことの 絶えてしなくば なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし | 044 | |
中納言兼輔 | みかの原 わきて流るる いづみ川 いつ見きとてか 恋しかるらむ | 027 | |
中納言行平 | 立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとしきかば 今帰り来む | 016 | |
中納言家持 | かささぎの 渡せる橋の 置く霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにける | 006 | |
貞信公 | 小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ | 026 | |
天智天皇 | 秋の田の かりほの庵の とまをあらみ わが衣手は 露に濡れつつ | 001 | |
道因法師 | 思ひわび さても命は あるものを 憂きにたへぬは 涙なりけり | 082 |
は行 | 春道列樹 | 山川に 風のかけたる しがらみに 流れもあへぬ 紅葉なりけり | 032 |
藤原興風 | 誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに | 034 | |
藤原清輔朝臣 | ながらへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき | 084 | |
藤原実方朝臣 | かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしもしらじな 燃ゆる思ひを | 051 | |
藤原敏行朝臣 | 住之江の 岸による波 よるさへや 夢の通い路 人目よくらむ | 018 | |
藤原道信朝臣 | 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな | 052 | |
藤原基俊 | 契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり | 075 | |
藤原義孝 | 君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな | 050 | |
文屋朝康 | 白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける | 037 | |
文屋康秀 | 吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ | 022 | |
法性寺入道 前関白太政大臣 | わたの原 漕ぎ出でてみれば 久方の 雲居にまがふ 沖つ白波 | 076 |
ま行 | 源兼昌 | 淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に いく夜も寝ざめぬ 須磨の関守 | 078 |
源重之 | 風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけて物を 思ふころかな | 048 | |
源俊寄朝臣 | うかりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを | 074 | |
源宗于朝臣 | 山里は 冬ぞ寂しき まさりける 人目も草も かれぬと思へば | 028 | |
壬生忠見 | 恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか | 041 | |
壬生忠岑 | 有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし | 030 | |
紫式部 | めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな | 057 | |
元良親王 | わびぬれば 今はた同じ 難波なる みをつくしても 会はむとぞ思う | 020 |
ら行 | 良暹法師 | 寂しさに 宿を立ち出でて 眺むれば いづこも同じ 秋の夕暮れ | 070 |
決まり字順一覧
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決まり字 | 和 歌 | 詠み人 | 和歌 no. |
---|---|---|---|
む | 村雨の 露もまだひぬ 真木の葉に 霧立ち上る 秋の夕暮れ | 寂蓮法師 | 087 |
す | 住之江の 岸による波 よるさへや 夢の通い路 人目よくらむ | 藤原敏行朝臣 | 018 |
め | めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな | 紫式部 | 057 |
ふ | 吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ | 文屋康秀 | 022 |
さ | 寂しさに 宿を立ち出でて 眺むれば いづこも同じ 秋の夕暮れ | 良暹法師 | 070 |
ほ | ほととぎす 鳴きつる方を 眺むれば ただ有明の 月ぞ残れる | 後徳大寺 左大臣 | 081 |
せ | 瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ | 崇徳院 | 077 |
こころあ | 心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花 | 凡河内躬恒 | 029 |
こころに | 心にも あらで憂き世に 眺むれば 恋しかるべき 夜半の月かな | 三条院 | 068 |
ちぎりお | 契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり | 藤原基俊 | 075 |
ちぎりき | 契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波こさじとは | 清原元輔 | 042 |
なにわえ | 難波江の 蘆のかりねの 一夜ゆゑ みをつくしてや 恋わたるべき | 皇嘉門院別当 | 088 |
なにわが | 難波潟 短き蘆の 節の間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや | 伊勢 | 019 |
よのなかは | 世の中は 常にもがもな 渚こぐ あまの小舟の 綱手かなしも | 鎌倉右大臣 | 093 |
よのなかよ | 世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる | 皇太后宮大夫 俊成 | 083 |
あさぼらけあ | 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪 | 坂上是則 | 031 |
あさぼらけう | 朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれ渡る 瀬々の網代木 | 権中納言定頼 | 064 |
きみがためは | 君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ | 光孝天皇 | 015 |
きみがためを | 君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな | 藤原義孝 | 050 |
わたのはらこ | わたの原 漕ぎ出でてみれば 久方の 雲居にまがふ 沖つ白波 | 法性寺入道 前関白太政大臣 | 076 |
わたのはらや | わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ 海人の釣舟 | 参議篁 | 011 |
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